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Q.仕事とは関係のない、あなたの生きがいについて話してください A.私の生きがいは、散歩をすることです。 何故かというと、意識が切り替えられるからです。 日常を過ごしていると、とても肩が凝ります。たとえば今のように面接などで緊張すること、机に向かって勉強していること、友達の愚痴を聞くことなど、肉体的なものから精神的なものまでです。真剣に物事に取り組むからには、必ず何らかのストレスがかかるものだと思います。 このように疲れた時は、このようなことを考えないよう気持ちを切り替えて散歩をします。ただ歩いているだけでは同じことを考えてしまうので、紙とペンと消しゴムを持って公園の風景を描いたり、体を動かしたいときは体力の続く限り、だいたい4キロほど走ったりもします。 「生きがい」とは違うかも… 名前 コメント
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つかさ「こなちゃんって、笑ってること多いよね。」 とある冬の放課後、学校の帰り道をいつものメンバーで歩いていると、不意につかさがそんなことを言い出した。 みゆき「言われてみれば、そうですね。」 こなた「いや~、そうでもないよ。かがみの鋭い突っ込みに何度涙を流したことか。うぅ、ホロリ。」 かがみ「ほぉ、その涙とやらを見せていただきましょうか?」 かがみはこなたを見下げながら(身長的な意味で)こぶしをボキバキと鳴らした。いち早く危険を察知したこなたはみゆきの後ろに素早く隠れた。 こなた「も~、かがみったら、冗談に決まってるじゃん。」 かがみ「まったく・・・。」 こなた「あはははは、・・・・・・ふぅ・・・。」 つかさ「どうしたの、こなちゃん?」 こなた「え?あ、いや、・・・ちょっと、昔のこと思い出しちゃって。」 みゆき「昔のこと、ですか?」 かがみ「どうせ、くだらないことなんでしょ。」 こなた「う、うん、まぁ・・・ね・・・。」 いつもと様子の違うこなたにかがみたちは一瞬戸惑った。 かがみ「ど、どうしたのよ、あんたらしくないじゃない。」 つかさ「こなちゃん?」 みゆき「あまり思い出したくないことでもあったのですか?」 こなたの様子が変わったのは、“昔のことを思い出した”というあとである。そのことから、みゆきのような結論に達するのは至極当然であろう。 こなた「あ、いや、えと・・・。」 かがみ「言いたくないことなの?」 こなた「・・・」 つかさ「こなちゃん・・・」 みゆき「泉さん・・・」 かがみ「・・・」 こなた「まぁ、べつに隠さなきゃいけないことでもないし、話しちゃうよ。」 こなたたちは近くの公園のベンチに座わった。こなたの左にかがみ、右につかさとみゆきがそれぞれ座っている。手には途中で買ったらしい紙パックの飲み物がある。こなたとみゆきはココア、つかさはオレンジジュース、かがみはお茶が入っていた。中身から察するに、かがみはダイエット中のようだ。 こなた「4年前の中学2年生の時にね、約束したんだ。笑ってるって・・・」 こなたと魔法使いの約束 こなた「さぁ、帰ろうか、魔法使いくん。」 魔法使いくん「おぅ!」 とある中学校に仲の良い男女がいた。女の方はこなたである。そして、男の方は魔法使いと呼ばれていた。 魔法使いくん「ところでこなた。」 こなた「何、魔法使いくん?」 魔法使いくん「その魔法使いくんって言うのやめてくんない?かなり恥ずいんだけど・・・。」 こなた「え~、だってこの間の授業参観の時に将来の夢は魔法使いですって言ったじゃん。」 魔法使いくん「た、たしかにそう言ったけど・・・。」 こなた「だから、君は魔法使いくん!あなたに拒否権はありません!以上!!」 こなたは魔法使いと呼ぶ男に“ビシッ”と指を突き立てて言い放った。 魔法使いくん「なんじゃそりゃ・・・。」 魔法使いと呼ばれる男も少々呆れぎみだった。 魔法使いくん「まぁ、いいや。とっとと帰るか。」 こなた「うん!」 そう言うとこなたは、魔法使いと呼ぶ男の腕にしがみついた。そして、二人はそのまま教室を出て行った。 (((((お熱いことで・・・))))) 教室に残っていたクラスメイトはそんなことを考えるのであった。 魔法使いくん「ふぁ~」 こなた「どうしたの、そんな大きな欠伸しちゃって。」 魔法使いくん「いや、昨日お前に付き合わされてずっとネトゲやってたから。」 こなた「ふ~~ん。」 魔法使いくん「しかし、よくお前は平気だな。俺と一緒にネトゲやってたのに。」 こなた「大丈夫、その辺のところは鍛えてあるから。」 魔法使いくん「もうちょっと有意義なことしろよ。」 こなた「えっへん!」 魔法使いくん「ほめてないから・・・」 極小な胸を突き出して威張っているこなたに、呆れて溜息を吐く魔法使いくん。 魔法使いくん「時々お前の将来が心配になるよ・・・。」 こなた「うん?」 魔法使いくん「そういや、お前、この間の授業参観の時に将来の夢、なんつったっけ?」 こなた「私?私はねぇ・・・誰かに寄生して生きたい、だよ。」 魔法使いくん「なんじゃそりゃ。」 こなた「え~、誰だって憧れるでしょう、そういう生活。」 魔法使いくん「憧れねぇよ。て言うか、寄生された方はものすごく迷惑だ。」 こなた「やっぱり、料理ができる人がいいよね。それともお医者さんがいいかな。」 魔法使いくん「待て待て、誰もそんなこと聞いてないから。」 こなた「それとも・・・弁護士がいいかな。」 魔法使いくん「いやいやいやいや、ちょっっと待て。お前、なんかやらかす気満々か!?」 こなた「さぁ、どうだろうねぇ。」 魔法使いくん「・・・」 ニマニマと笑うこなたに、魔法使いくんはかなり引き気味になってしまった。 こなた「冗談だよ、冗談。いくら私でも、警察のお世話になるようなことはしないよ。」 魔法使いくん「そうであってほしいな・・・。」 こなた「で、君の将来の夢は魔法使いだったね。」 魔法使いくん「いや、あれはうけねらいで・・・」 こなた「そっか。じゃ、将来は“ピー○カ・ピリ○ラ・○ポリナ・ペー○ルト”とか言うわけだ。」 魔法使いくん「おい!それ、魔法使いじゃなくて魔女だし!!しかも見習いの!!!」 こなた「ん?それとも“汝のある○き姿に戻れ”?」 魔法使いくん「それも魔法使いとは少し違うって!まぁ、さっきのよりはメジャーだろうけど・・・。」 こなた「“テクマ○マヤコン”?」 魔法使いくん「古い!!」 こなたに対する突っ込みの連続のせいか、魔法使いくんは疲れだしたようであった。 魔法使いくん「はぁ~」 こなた「くすくすくす・・・」 魔法使いくん「な、なんだよ、なに笑ってんだよ。」 こなた「ん~ん?いやぁ、なんだかんだ言っても魔法使いくんは私にあわせてくれてるなぁ、と思ってね。」 魔法使いくん「へ?」 こなた「こうやって私の言うことに突っ込んでくれるし、買い物にも一緒に行ってくれるし、ネトゲもそうだしね。」 魔法使いくん「そ、それは・・・」 こなた「まぁ、だから好きなんだけどね、魔法使いくんのこと。」 いきなり、なんのためらいもなく“好き”と言われて魔法使いくんの顔が赤くなる。確かに、二人は付き合っている、という仲なのだが、不意にそんなことを言われれば顔が赤くなるのも当然かもしれない。 魔法使いくん「や、べ、別に、お、お前にあわせてるわけじゃなくて、ち、違うものを違うと言ってるだけで、買い物だって、お、俺が行きたい所がたまたま一緒なだけで、その、えと・・・」 こなた「ニヤニヤ。」 魔法使いくん「こ、こなた?」 こなた「男のツンデレっていうのもけっこう乙だね。」 魔法使いくん「こ・な・た~!!」 こなた「いや~ん、魔法使いくんにおっそわれる~ん。」 こぶしを握って怒りを表している魔法使いくんに対して、キャハキャハとはしゃぐこなたなのであった。 魔法使いくん「まったく、お前は。」 こなた「にゃははは、怒らない怒らない。あ、そうだ、今日もネトゲしよ。一緒に森の怪物を倒しにさ。」 魔法使いくん「は?いや、今日は無理だろ。」 こなた「え?なんで?」 魔法使いくん「だって今日、英語の宿題出ただろ。明日提出の。ネトゲしてる時間ないって。」 こなた「そっか・・・。じゃ、明日、写させて。」 魔法使いくん「自分でしようという選択はないんかい。」 こなた「ない!」 魔法使いくん「即答かい・・・。でも、それも無理だぜ。提出は明日の1時限目だから写してる時間はないと思うぞ。」 それを聞いたこなたはピタリと歩くのが止まった。魔法使いくんが振り返ると、そこにはなにやらごそごそと自分のかばんを漁っているこなたがいた。 魔法使いくん「こなた、もしかして英語の教科書置いてきたのか?」 こなた「英語に限らず全部置いてってるけどね。」 魔法使いくん「おいおい・・・。」 こなた「ごめん、一回教室に戻って取ってくる。」 そう言うとこなたは、来た道を戻り始めた。 悲劇はその時に起きた。 こなたが戻り始めた道の先の交差点はあまり見通しの良い所ではなかった。 それゆえにこなたは自分に近づいてくる車に気が付かなかった。 車の方もこなたに気が付いていないようだった。 車はスピードを緩めずこなたも交差点を飛び出す形となってしまった。 結果・・・ キーーーーー、ドン!! こなたは突き飛ばされてしまった。 しかし、痛みはほとんどなかった。 車に撥ねられたような感覚はなく、どちらといえば人に押し飛ばされたような感じであった。 こなた「あ・・・あれ?」 こなたは自分の置かれている状況がつかめずにいた。自分は車に轢かれたのではないのか、と考えていたが、そうではないのだとすぐに分かった。こなたは後ろを振り返った。 こなた「え?」 そこには先ほど走っていた車があった。そして、その先には、 こなた「そ、そん・・・」 こなたを車に突き飛ばされるのを助けた、ついさっきまで一緒に話していた魔法使いくんの姿があった。 こなた「いやぁぁぁあああぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」 黒い制服の一部を赤くして・・・。 ピーポーピーポーピーポー・・・ こなたと魔法使いくんを乗せた救急車が病院に向かって走っていた。魔法使いくんの体には脈を計るためにコードが付けられている。魔法使いくんはまだ、意識がなかった。 こなた「ねぇ、起きて・・・お願い、死なないで・・・」 救急隊員「患者を揺すらないでください、脳震盪を起こしている可能性があります。」 泣きながら魔法使いくんの揺すっているこなたを救急隊員が止めた。 魔法使いくん「う・・・あ・・・」 魔法使いくんが意識を取り戻したようだ。 こなた「あ!起きたの!!」 魔法使いくんはその声のする方、つまりこなたのに向かってゆったりと顔を向けた。 魔法使いくん「ひでぇ顔してんな、こなた。」 魔法使いくんはクスリと笑いながらそう言った。 こなた「え?」 魔法使いくん「すっげぇ泣き顔だぜ。」 魔法使いくんは弱々しい声になっていた。 こなた「だって、だって・・・」 こなたはその先何も言わなかった。否、言えなかった。それは、魔法使いくんがゆっくりと手を伸ばして、こなたの頬に触れたからである。そして、触れている手の人差し指で優しく涙を拭き取った。 魔法使いくん「笑え。」 こなた「え・・・?」 魔法使いくん「こなたに泣き顔なんか似合わない。」 こなた「・・・」 魔法使いくん「だから、笑ってくれ。こなたに一番似合ってるのは笑ってる顔だから。」 こなた「・・・うん!」 こなたは笑顔で答えた。さっきまで泣いていたのだからうまく笑えなかったが、それでも精一杯の笑顔を見せた。そして、頬に触れている魔法使いくんの手をそっと両手で掴みながら言った。 こなた「私、笑っているよ。だから、だから・・・」 魔法使いくん「こなた、俺少し寝るわ。」 こなた「え!?だ、だめだよ、寝ちゃ。もし寝ちゃったら・・・」 魔法使いくん「おやすみ、こな、た・・・」 魔法使いくんは再び意識を失った。こなたが掴んでいた手が滑り落ち、ベッドの下に落ちた。と、同時に脈を計っている機械から“ピー”という無情な音が響いた。 こなた「・・・うそ、だよね?ねぇ、ねぇ・・・う、わああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」 こなたの泣き声が救急車の中を支配したのであった。 こなた「それでねその後、」 つかさ「もういいよ、こなちゃん!!」 かがみ「こなた!!」 こなたの隣で話を聞いていたかがみとつかさはこなたに抱きついた。二人とも泣いているようだ。みゆきもハンカチを取り出して涙を拭っている。 つかさ「辛かったよね、こなちゃん。好きな人が目の前で死んじゃって。私だったらたぶん立ち直れないよ。」 こなた「あの、つかさ・・・」 かがみ「あんたはいつも楽しく笑ってるんだから、きっと天国の魔法使いって人も安心して見守ってるわよ。」 こなた「えと、かがみ・・・」 みゆき「私たちはその方の変わりにはなれません。しかし、泉さんのことを親友だと思っています。ですから、泉さんを悲しませるようなことはしません。私たちも泉さんには笑っていてもらいたいですから。」 こなた「み、みゆきさん?」 かがみ「そうよ、私たちはこなたを悲しませるようなことは絶対にしないわ!」 つかさ「そうだよ、こなちゃん!」 こなた「ああ・・・えっとぉ・・・」 つかさやみゆきだけでなく、いつもは突っ込みをいれるかがみまでもこなたの話しに感傷的になっていた。こなたはなにか言いたいようだが、言うタイミングを逃してしまっているようだった。 “しばらく連絡とってないけど、今何してんのかな” かがみ(あれ?) かがみは前にこなたがそんなことを言っていたのを思い出した。先ほどの話しの流れからいくとそのようなセリフはおかしいのではないか、と疑問を持ち始めた。 かがみ「ねぇ、こな」 ?????「あれ、こなたじゃねえか?」 不意に同学年くらいの男子がこなたに話しかけて来た。 ?????「やっぱりこなただ。ひさしぶりだな!」 こなた「あ、魔法使いくん!ひさしぶり。」 かがみ「・・・は?」 みゆき「・・・」 こなたのセリフに呆けているかがみとみゆき。つかさはなぜか怯えていた。 みゆき「つかささん、どうなされたのですか?」 我に返ったみゆきが様子のおかしいつかさに話しかけた。 つかさ「だ、だって、魔法使いくんって車に跳ねられて死んじゃった人でしょ?と、ということは、ゆ、ゆ、ゆうれぇぇぇぇぇ!?」 かがみ「違うわよ!ていうか、こなた、あんたさっきの話し、うそ!?言っていいうそと悪いうそがあるでしょ!なに考えてるのよあんたは!!」 こなた「ちょ、ちょっと待ってかがみ、落ち着いてよ。」 怒っているかがみをこなたはどうにか宥めようとした。かがみはうそを言ったことよりも人を勝手に死なせたことを怒っているようだった。ちなみに、「え?ゆうれいじゃないの?」「はい、違います、そもそもゆうれいというのは(中略)ということなのです。」「どんだけ~」という会話がつかさとみゆきの間で交わされていたが、ここでは割愛させてもらう。 魔法使いくん「えっと・・・」 話しについていけずに置いてきぼりを食らってしまっている魔法使いくん。 かがみ「あんたもなんか言ってやんなさい。こいつ、あんたのこと交通事故で勝手に死なせてるのよ。」 そんな魔法使いくんの様子に気づいたのか、それとも無意識か、かがみは魔法使いくんに話しを振った。 魔法使いくん「交通事故?もしかして4年前のことか?」 かがみ「え?え、えぇぇぇ?」 かがみは話しが分からずにこなたと魔法使いくんを交互に見ていた。 つかさ「や、やっぱり、ゆうれぇぇぇぇぇ!?」 こなた「つかさも落ち着いてよ。みんな話し、最後まで聞かないんだから。」 かがみ「ど、どういうことよ。」 こなた「この話しには続きがあってね、」 こなた「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 “バコッ!!” こなた「ふが!?」 突然、泣いているこなたの頭に衝撃が来て、間抜けな声を出してしまった。なにが起こったのか分からずにキョトンとしていると、魔法使いくんは上半身を起こした。 魔法使いくん「うるさいぞこなた、おやすみって言ったのが聞こえなかったのか!?あいててて・・・」 魔法使いくんは体を抑えて再びベッドに倒れ込んだ。 こなた「え?え?ええ??」 状況が掴めずこなたはオロオロしていた。 魔法使いくん「昨日はお前に付き合わされてずっとネトゲしてて寝みぃんだ。寝かせてくれ。」 こなた「え?いや、だって、いま、ピーって・・・」 救急隊員「すいません、抜けたコード付け直したいので少し退いていただけますか?」 こなた」「・・・はい?」 救急隊員が魔法使いくんの手に引っかかっているコードを機械に付け直すと、魔法使いくんの脈が正常であることを示し始めた。こなたはそれを引きつった顔で見ていた。 魔法使いくん「頼むからうるさいしないでくれよ、マジで寝むいから。」 魔法使いくんは欠伸をしながら言った。 “ブチッ!!” そんな音が聞こえてこなたの方を見ると、ものすごい顔でこちらを睨みつけていた。 魔法使いくん「こな・・・た?」 こなた「そっかそっか、寝たいのか。OK、OKぐっすり寝かしてあげるよ。」 こなたはこぶしをバキボキと鳴らしながら表情を変えずにそう言った。 魔法使いくん「こ、こなた?こなたさん??こなた様???」 こなた「おやすみ・・・」 そう言うとこなたはこぶしを振り落とした。 “ドスッ!!” 魔法使いくん「ぐえ!?」 救急隊員「あ・・・」 小さい頃合気道をしていて、運動神経も良いこなたのこぶしは強力だった。しかも、振り下ろした所は・・・ 魔法使いくん「こなた、どう、して・・・」 こなた「私を心配させたバツです!」 魔法使いくん「ぐ・・・、ガクッ、チ~ン・・・」 救急隊員「えっと・・・死因は“キン打撲”でいいでしょうか?」 こなた「はい、いいと思います。」 こなたはハンカチで手を拭きながら答えた。 こなたと魔法使いくんを乗せて走っている救急車のサイレンが、さみしく響いていたそうな。 かがみ「・・・」 つかさ「・・・」 みゆき「・・・」 魔法使いくん「・・・」 こなた「・・・あは。」 かがみ「あは、じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 こなたはその場の雰囲気を変えようとかわいらしく言ってみたが、どうやら逆効果だったようだ。 かがみ「なんじゃそりゃ、どういうオチだ!どこの漫画ネタだそれは!!」 こなた「オチって・・・別にネタとかじゃなくて、全部本当の話しだよ、ねぇ?」 魔法使いくん「あ?ああ、全部本当の話しだが。」 こなた「ほらね。」 かがみ「なによそれ。隠すほどの話しでも思い出したくないほどの話しでもないじゃないの。」 こなた「隠してはなかったけど・・・思い出したくないことではあったけどね。」 かがみ「なんでよ。」 こなた「私のせいでさ、魔法使いくんけがさせちゃったわけだしさ。」 かがみ「あ・・・」 こなたは毒舌ではあるが、とても友達思いである。そんなこなたにとって、自分のせいでけがをさせてしまった、ということはあまり良い思い出ではないようだ。 魔法使いくん「気にすることないって。大したケガでもなかったし、跡が残ったわけでもないんだから。」 こなた「それは、そうなんだけど・・・」 こなたはうつむいてしまった。表情はよく見えないが暗くなっているように見える。 魔法使いくん「こなた・・・」 かがみ「こな、た?」 こなた「そうだよねぇ、気にする必要ないよねぇ。」 顔を上げたこなたはいつもの猫口に糸目でニヤニヤとしていた。 つかさ「わ、こなちゃん立ち直り早!!」 こなた「いつまでもうじうじしてちゃダメなのだよ、皆の衆。」 みゆき「それは、そうですが・・・」 こなた「むふふ。あ、そうだ、魔法使いくん。」 魔法使いくん「ん?」 こなた「君はちゃんと魔法の修行してるかね?」 魔法使いくん「するか!てか、どうやってするんだよ!!」 こなた「え~、してないの?“ファンファ○ファイン・ラン○ンレイン”とか。」 魔法使いくん「しません!しかもマイナーすぎだろ。」 こなた「じゃ、“魔法変身マー○・マジ・マ○ーロ”とかは?」 魔法使いくん「意外と古いぞ、それ!まぁ、俺は“ボ○ケンジャーVSマ○レンジャー”を見てみたかったがな。」 こなた「“メタモ○フォーゼ!!”」 魔法使いくん「猫ですか?蝶ですか?」 こなた「いえ、薔薇です。」 魔法使いくん「蝶と変わんないから!てか、魔法関係なくなってるし!!」 こなたと魔法使いくんのそんなやり取りをかがみとつかさは意味が分からないような感じで呆けていた。みゆきはニコニコしながらおもしろそうに聞いていたようだが。 つかさ「えっと・・・こなちゃんと魔法使いくんって仲良いね。今でも付き合ってたりするの?」 魔法使いくんがこなたへの突っ込みに疲れてゼェゼェいい始またところにつかさが話しかけてきた。 魔法使いくん「え?あぁ・・・それは」 こなた「いえ、もう別れました。」 つかさ「ほぇ?な、なんで?」 こなた「あんな紛らわしい寝方する人とは付き合ってられません。」 かがみ「なによそれ・・・」 こなた「ん~、まぁそういうもんだよ。あ、もうみんな飲み終わってるね。私捨ててくるよ。」 そう言うとこなたはかがみたちからコップを(ほぼ強引に)受け取り、自販機横のゴミ箱へ捨てにいった。 かがみ「無理しちゃって・・・。」 つかさ「え?」 みゆき「かがみさん?」 かがみ「わざと明るく振舞って心配させないようにしてさ、別れた理由だってたぶん違うんでしょ?」 かがみは魔法使いくんを横目で見ながら言った。 魔法使いくん「ああ、たぶん、負い目があるんだろうな。気にする必要もないのにさ。」 かがみ「こなたはあんなのだからね。」 魔法使いくん「そうだな。毒舌で、」 かがみ「人のことおちょくって、」 魔法使いくん「楽天的で、」 かがみ「セクハラまがいのことして、でも、」 魔法使いくん「元気で、」 かがみ「友達思いで、」 魔法使いくん「少し寂しがりなとこがあって、」 かがみ「ちょっと甘えん坊なところがある。それが、」 魔法使いくん「そう、それが、」 「「すごくかわいらしい。」」 かがみと魔法使いくんはクスリと笑った。ここまで同じ考えの人はめずらしいだろう。 かがみ「まぁ、振られちゃったのは残念だけどね。」 魔法使いくん「そうだな。でも、まだ諦めてないけどな。」 かがみ「え?」 魔法使いくん「いつかもう一度振り向かせてやるよ。こなたは俺の嫁だからな。」 魔法使いくんは親指を自分に向けて言った。その言葉にかがみはムッとした。 かがみ「残念だけど、それは無理ね。」 魔法使いくん「ん?なんでだ?」 かがみ「私がこなたの嫁だからよ。」 魔法使いくんは一瞬呆気にとられたが、すぐにその意味に気付いた。 魔法使いくん「なるほど、こなたがそう言ってわけだ。」 かがみ「ええ、そうよ。」 魔法使いくん「つまり、俺たちは一種のライバル、というわけだ。」 かがみ「そういうことね。」 二人はお互いの目を離さずにいた。表情こそ穏やかに見えるがその裏では一歩も譲ることのない戦いが繰り広げられているようだ。 つかさ「ゆ、ゆきちゃん、お姉ちゃんたち、どうしたんだろう?」 みゆき「さ、さぁ、よく、分かりませんね・・・。」 そんな二人をつかさとみゆきは半ばおびえるように見ていた。 こなた「お~い、みんな、そろそろ帰ろ。」 こなたがカップを捨てて戻ってきた。しかし、戻ってみると、かがみと魔法使いくんの様子がおかしいことに気が付いた。 こなた「どうしたの、かがみ?」 かがみ「なんでもないわよ、こなた。」 かがみはこなたの方を向いてそう答えた。だが、目はチラチラと魔法使いくんの方に向けられていた。 こなた「そう?それならいいんだけど・・・。」 こなたは少々納得できないようだった。 魔法使いくん「それじゃ俺、もう帰るわ。」 こなた「え?あ、そう。じゃあね。」 こなたは軽く手を振った。魔法使いくんも片手を軽くあげてそれに答え、そのまま後ろを向いて歩きだした。 かがみ「待ちなさい。」 魔法使いくんはその言葉に足をピタリと止めた。しかし、振り向くことはしなかった。 こなた「か、かがみ?」 つかさ「・・・」 みゆき「・・・」 つかさとみゆきは無言で見守っていた。 かがみ「私の名前は柊かがみ。あなたの名前も教えてもらえるかしら?」 魔法使いくんはクルリと振り返った。そこには不敵に笑うかがみがいた。魔法使いくんも相応の表情で返した。 魔法使いくん「宣戦布告、というわけだ。いいぜ、教えてやるよ。」 こなたをめぐる二人の戦いが静かに始まろうとしていた。 魔法使いくん「俺の名は・・・・・・ ~おわり~
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シンが真っ白な灰なり、保健室経由で病院に運ばれてから、数時間後。 とある場所では秘密の宴が開かれていた。 「カンパーイ!」 「カンパイ」 二人の異質な男がグラスを合わせる。 なぜ異質なのかというと、二人とも頭に○キシード仮面みたいな仮面と帽子をしているからだ。 ちなみにその仮面にはI、もう一人の男にはHのマークが書いてある。 「全生徒の十分の一ぐらいには話したかな。これぐらいで十分だろう、噂というものは自然に広まっていく」 とI。彼は不敵にニヤリと笑う。 「同士長I。私の担当地区でも反応は良好でしたよ。いやはや、あなたの持ってきた情報を少し変えて伝えただけでこうも上手くいくとはね」 とH。彼はやんわりとほほ笑みながらも静かに、しかし通る声で言った。 「何を言いますか。あなたの立てた計画があったからこそですよ」 「いえいえ、発案はあなたではないですか、私は少しアドバイスしただけです。しかし、流石の彼も、まさかあなたが犯人だとは思わないでしょうね」 「ふふふ、敵は外だけではない。という事ですよ」 「獅子身中の虫、ですか。ま、私も若い時は色々やってきたので人の事を言えた義理じゃありませんが、あなたも相当ワルですね」 「ほほぅ。では、家に帰ってお宅の娘が、ある男とメイドごっこしていたなんて事実を知ったら、あなたはどうするんですか?」 「……失礼。正義は我らにありでしたね。まぁ、彼は女性と少々――いや、すごく親密になりすぎな面もありますから――」 と、同士Hは唐突に言葉を止めると。その肩を小刻みに震えさせた。 「ど、同士H?」 「あのやろう……この前なんか、偶然を装って私の目の前で娘と妻でパルマのフルコースをかましやがって! サンプル風情がぁぁぁぁぁぁ!」 「ど、同士H!? 落ち着いてください!」 「だから私は家に男なんて連れてくるのは反対だったんだ! でも――」 『ねぇお父さん。今度、っていうか二日後なんだけど、シン君を晩御飯に呼びたいんだ。いいかな? ねっ。いいでしょ?』 『ま、まぁ。別に私はどっちでもいいんだけど。呼んでやってもいいと思わけよ……。どうかなお父さん?』 『そんなのいいに決まってんじゃん。そっかぁ、シン君呼ぶんだ。じゃあ、美容院でも行っとこうかなぁ~。予約予約~』 『まつり、それ、いつもの所? 無理ね。さっき私とお母さんで明日の予約一杯になったから』 『うふふ、ごめんねまつり。ところで、あなた。どうです? シン君を呼ぶのは反対ですか?』 「って五人揃ってジーーっと見られたら嫌なんて言えないだろ! 大体なんでみきまで美容院の予約を入れて――」 「同士H!」 「はっ! す、すみません同士長I、私とした事がつい感情的になってしまって……」 「色々あったんですね。心中、お察しします……」 そう、なにを隠そう、 シンだけに都合が悪い形で噂を広めたのは彼ら、“正体不明”の“娘を守る会”だったのだ! 「ゴホン。それにしても同士H。このような神聖な場所で騒いでも大丈夫なのかな? あと、奥さんとかにバレたりとかは……」 「なに、お酒あっての神仏ですからね。神もこれぐらい大目にみてくれますよ」 「奥さんは?」 「妻にバレたらそれこそ天罰以上の愛国者的なお仕置きがありそうですが。今は近所の奥様方と旅行に行ってるので留守です」 「はっはっは、なるほど。抜かりは無いというわけですな。大した神主――じゃなかった。大した会の作戦参謀だ」 「いえいえ、お褒めいただく程ではないですよ。ただ、先ほども言いましたが裏で暗躍するのは昔から慣れてましてね」 二人はがっはっは。と今度は大声で笑う。 と、そこに一人の男の声が割って入った。 「同士長I」 同士長Iはその声の方に顔を向ける。するとそこには同士長と同じ仮面をした男達がいた。 「おお、同士TA、それに、同士IW、K、M、KO、TAM。アメリカから参戦してくれた同士Pまで」 それぞれの男の仮面には、それに対応したマークが付いていた。 「シン・アスカの情報漏えい計画は順調です、同士長Iよ」 「我々の方でも、陵桜の生徒達の反応は上々です」 同士達は恭しく報告した。 同士長Iはその報告を聞くと満足げ頷く。 「うんうん、圧倒的じゃないか我が“娘を守る会”は」 「我ら“娘を守る会”は一心同体ですからね。ささ、みなさんもこちらに来て一杯やりましょう」 「おお、ありがたい」 そして、男達の宴が始まった。 ○ 宴は最高潮に達していた。 酔っ払った男達は思い思いに叫び、笑い、大いに娘への愛を語り合いながら杯を交わす。 「よって我々は、娘を守るために立たねばならんのであぁぁる! ジーク…………ドーター!」 同士長Iがどこぞの総統よろしく、演説の終わりに高々と手を掲げる。 「ジーク ドーター!」 「ジーク ドーター!」 「ジーク ドーター!」 それに続く同士達。ビバ☆ガ○ダム世代。 彼らのは敵は消えた。 彼らは勝ち取った。いや、取り戻したのだ。 あったはずの平穏を、注がれていたはずの娘からの愛を。 ある男に虐げられてきた歴史は幕を下ろした。 と、思われた……。だが、人生はそう上手くいかないようだ。 『ちょっと聞き込みしたらすぐに分かったよ。そういう所が甘いよね男って……』 「!?」 招かれざる来訪者。 同士達は一斉に声の方へと顔を向ける。 そこには、 「巨大なるパルマの輝きは、確かに少女達を守り続けた小さな輝きを霞めさせたかもしれない。 しかし、それならば己の輝きを強めるよう努力をする事こそ人の道。親の道…… にも関わらず、人を――娘の想い人を貶めることで、己の欲望を満たそうとするとは親の風上にも置けない行為。娘それを――」 「『お父さんウっザイ!』って言う!」 太陽の光を背に浴びて、本堂の入り口に少女が立っていた。 変な仮面をしている。しかもスクール水着を着ている。 その姿を見て、同士たちのほとんどはこう思った。 こいつ変態だ……。 どうやら彼らの辞書に、五十歩百歩という文字は無いらしい。 「ええい! 貴様は何者だ!」 殺気立つ同士達。当然だ、作戦の漏洩は絶対に防がなければならない事だ。 もし、こんな計画がバレようものなら(主に娘との関係が)破滅である。 それだけは、死んでも避けなければいけなかった。 しかし、そんな殺伐とした視線を浴びせられているにも関わらず、スク水少女は毅然と言い放った。 「貴様らに名乗る名前は無い! と言いたい所だけど、馬仮面もといコナ仮面とでも名乗っておこうかな。 まぁ、さすがにあの格好は抵抗あるから、普通のスク水だけど……」 「おのれ! 小娘一人ぐらい!」 「サンプル一人ぐらい!」 二人の同士がコナ仮面に襲い掛かる。 コナ仮面はどう見ても子供だ。大人二人でかかれば押さえつけるのはわけ無いだろう。 と、同士一同は誰もが思っていた。一人を除いて……、 「ま、まて同士HとM!」 そんな中、同士長Iは慌てた様子で同士を呼び止める。だが、 「遅い! 必殺……」 コナ仮面は腰を落とし、戦闘態勢を取ると。 「爆竜拳!」 次の瞬間。某RPGの技を参考に習得した奥義が同士HとMに炸裂した。 「!!!!」 二人は、叫ぶ間もなく吹っ飛び、 どすーん! 同士達の後方に落下した。 「なっ――」 一同に衝撃が走る。 只者では無い。というのは誰の目から見ても明らかだった。 大人二人を吹っ飛ばす出鱈目な腕力。見た目が少女なだけにそのギャップで尚更怖い。 しかし、情報漏洩は絶対に防がなければならない。絶対にだ。くどいようだが死んでもだ。 娘に嫌われてまで、生にしがみ付きたい人間などここにはいない。 「ぜ、全員でかかれ!」 誰が言い出したかは分からない。恐怖に彩られた男たちは、その言葉に従って、 「「「うおおおおおおおおおお! ジーク! ドータぁぁぁぁぁあ!」」」 愛する存在を叫びながら、恐怖を振り払うかのように突進した。 「ま、待て! 同士諸君!」 同士長はまた、仲間に制止の言葉を投げかけるが、 「輪舞墳竜連撃!」 しかし、遅かった。 魔力っぽい渦が同士達を巻き込み、舞い上がり。それぞれに、綺麗な打撃を食らってまた舞い上がる。 そして、同士達は重力に従って床に叩きつけられた―― 死屍累々。 その中心で、少女は息も切らさず悠然と立っていた。 「さて、お次は……」 コナ仮面は、今だ健在の同士長Iに冷ややかな視線を送った。 「ケーキを先に食べられた仕返しにしては、少々度が過ぎてない? いや、それだけじゃないのかな。塵も積もればってやつ?」 コナ仮面はゆっくりと同士長Iに近づいていく。 同士長Iは、自分がターゲットに設定された事を感じた。 「ま、待てこなた! 父に手をあげるのか!」 「こなた?」 コナ仮面はふん、と鼻息を鳴らした後、慎ましい胸を大きく張った。 「違う! 私はコナ仮面だ!」 「だぁ!? こなた! お父さんだよ! そうじろうだよ!」 「父? 違うでしょ? 同士長Iなんでしょ」 「いま、証拠を――」 同士長Iはコナ仮面の父であると証明するために、仮面を取ろうとする。 だが、 「おっと」 「んなぁ!」 風のような動きで、距離を詰めたコナ仮面の手によって、仮面は上からガシっと押さえつけられた。 同士長Iは必死にその腕を振りほどこうとするが、 (うおおおおおお! 万力かこいつわぁ!) 悲しいかな、腕力はコナ仮面の方が上だった。 「ん~? やっぱり父親だと証明できないみたいだね~。ならやっぱり同士長Iじゃ~ん。じゃあ、遠慮はいらないよね~♪」 微笑を浮かべるコナ仮面。ちなみに、その仮面から覗く瞳には情のカケラが一片も見当たらない。 やばい。こいつマジでキレてる……。 同士長Iの額から滝のように汗が流れた。 「こなた! お、お父さんが悪かった――」 「…………………本当にそう思ってる?」 コナ仮面は首をかしげた。 なんと、少し光が見えた。 上手くいけば助かるかもしれない。 よし、とりあえず誉めて機嫌を良くしていただき、その後はとにかく土下座して見逃してもらおう。 そう考えて、同士長Iは自分の手をスリスリしながら、 「ホントです! 本当に反省してますとも!」 「ホントに? ホントに、本当に、反省してる?」 「ええ、本当ですとも! 見目麗しいコナ仮面様に嘘なんて付けません! いやぁ、その格好良く似合ってます。けど、やっぱりオリジナルとはあまりにボリュームが違――」 ピシィィィィ! 何か、空間が裂けるような音が聞こえた。 (……し、しまったぁぁあ!) 同士長I。 愛する二次元に対しては誰よりも厳しく真摯な男。それゆえ、こと、このジャンルに対してはとっさな嘘が付けない。 しかも、よりによって口走ったのは禁忌中の禁忌。 普段「貧乳はステータスだ!」なんて強がっていても、想い人の歴代の彼女が巨で、自分は貧である事に気付き、その事をメチャクチャ――それこそヤンデレ並に気にしているのを、同士長Iは誰よりも知っていた。 「こ、こな――」 同士長Iは恐る恐るコナ仮面を下から覗き込む。 普段、その瞳はうっとりするぐらい愛らしい。だが、そんな瞳は今現在……。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ! その視線は氷雪。 その色は虚無。 その瞳は光を失った漆黒に彩られている。 表情は無。ただ無。笑いも、怒りも表さず。各パーツはただ顔という集合体を表している。 要は、無表情でただジッと目の前の“親”いや、ただの“生物”を見ているのだ。 “殺すか?” だだ――その目はそんな風に呟いている気がした。 「こ、こなた――」 次の瞬間。こなたはパァっと天使のような笑顔を振りまいた。 「ごめんねお父さん♪ ボリューム足りなくて♪」 「い、いや、なに。お父さんは大好きだぞ。貧――」 同士長Iに、仮面をへし折った拳がめり込んだ。 「ぐおおおおおお痛い! っていうか今、お父さんって認め――」 拳がめり込む。 「な、殴った! 二度も殴られた! かなたにすら殴られた事無いのに――」 言い切る前に、今度はこなた――じゃなかった、コナ仮面の踵が同士長Iの頬にめり込んだ。 ゲシ! ゲシ! ゲシ! ゲシ! と、その行為は何度も繰り返される。 「痛い! こなた痛いってぇぇぇ! ごめん、ごめんよォォォォォォお!」 一分後。同士長Iは遠い世界に旅立った。 同士長Iの亡骸を一瞥して、コナ仮面は深くため息をついた。 「まったく……そろそろ子離れして欲しいよ」 そして、忍び足で逃げようとする同士達に向き直る。 「さて、あんた達」 全員の肩がビクッ! と震えた。 「今日の一件がバラされたくなければ私に協力するように」 そして、コナ仮面は背筋が凍りつくような妖艶な笑みを浮かべ、 「言われたくないでしょ。娘に「お父さんウザイ!」って」 死刑宣告をした。 「「「ひいいいいいいいいいい!」」」 男達の間から悲鳴じみた声が上がる。 「協力するの? しないの? 私は別にどっちでもいいんだけど?」 「「「「はは! コナ仮面閣下! 何なりとご命令を!」」」」 同士達は土下座で、永遠の忠誠を誓う。 かくして、彼らは僕らのニューヒーロー、コナ仮面の奴隷と化した。 翌日、シンが力無い足取りで病院から登校すると、相変わらずほとんどの女子生徒の目は冷たかったが、 「シン、ごめんなさい」 「シン君、ごめんね……」 「シンさん、申し訳ありませんでした……」 朝のHR前。窓際の机に座るシンの前でかがみ、つかさ、みゆきは深々と頭を下げた。 「?」 シンは何か不思議な物を見るような目で、目の前の人物達を見つめる。 「ど、どうしたんだよお前達?」 「昨日ね、お父さんに言われたのよ――」 『人を疑うのはいけない! 断じていけない! 決していけない! 人として許される行為ではなぁぁぁぁあい!』 「って……」 「あんな怖いお父さん始めてみたよ――。あと、シン君は一生懸命否定してたのに、それを信じられないのは本当の友達じゃない。とも言ってた……」 「私も、昨日父が珍しく酔っ払って帰ってきたんですが、そのせいか知りませんけど、今まで見たことが無い様な凄い剣幕で諭されまして……」 「「「本当にごめんなさい……」」」 と、三人は再び頭を下げた。 シンは、はてな。と首を傾けた。 「さっきの一年組もそうだし、みさおや峰岸さんからもそうやって謝られたんだよな……」 シンは、ちょっと考えこんで。でも結局何がなんだか分からないので、 「みんな、いいお父さんなんだなぁ……そんなに必死になって俺のために……」 人の優しさに感謝する事にした。本当に父は偉大である。 「そりゃあ必死でしょうよ。一日で説得できなかったらバラすって言ってあるし」 後ろの席のこなたが、机に突っ伏しながら何か言ってきた。 「? こなた。なんか言ったか?」 「ううん。別に~。っていうかシン。私お腹空いたな」 「何だよ唐突に……まぁいいや、昨日の失言の事もあるし、今日は気分も良いし、放課後なんか奢ってやるよ♪」 「どうも。……でも、それぐらいしてくれなきゃ、ワリに合わないよ」 「?」 「という訳で。私たちもシンさんの誤解を解くのをお手伝いします」 「日下部や峰岸も、すでに動いてくれてるわ」 「きっと、すぐに元通りだよ」 「あ、ありがとうみんな。おれ、いい友達を持ったなぁ……」 シンはまた涙ぐんだ。けど、その涙はこの二日間で流したどの涙より、心地よい気分で流せた涙だった。 その後、いつものメンバーのお陰で、噂はすぐに消えたそうな。 『バレンタイン・デイ・メイドプレイ~後日談~』END みき「あなた! なんで私が居ない間に、本堂があんなにボロボロになってるんですか!」 ただお「申し訳ない。ただ、親として譲れないものがあったというか――」 みき「親として譲れないもの? ……あなた、まさかまた、シン君に何かしたんじゃないでしょうね」 ただお「うぅ……。だ、だって……」 みき「あなた」 ただお「は、はい!」 みき「人との正しい付き合い方、教えて差し上げましょうか?」 ただお「え、まさか……遠慮します! あっ! やめて! 襟を掴まないで――」 ちゃんちゃん♪ 前 戻る 次
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「・・・と、いう訳です。」 「・・・そだ・・・」 「え?」 「嘘 だ ッ ッ ! !」 シンの目の前には、泣きながら全身を怒りに震わす中年の男が居た。 泉そうじろうその人である。理由はもちろん・・・ 「こたながッ!こなたにすきなひどがsjftあせふlじこ;@」 「ちょ、ちょっと!落ち着いてください!!」 まったく厄介な依頼を引き受けたものである。 当初のシンの予想通り、こなたの件を聞いたそうじろうはやはり激怒した。 まぁあれだけ溺愛しているのだから仕方ないといえば仕方ないのだが・・・。 それにしてもこの怒り様は異常である。このまま相手を撃滅しそうな勢いだ。 「俺はあくまでもこなたの友達から聞いた話をいっただけですよ! あいつ本人から聞いたわけじゃ・・・」 「いや、かがみちゃんが言うんだから間違いない… ちくしょう…ちくしょぉぉぉおおおおーーーーーー!!」 これはもう駄目かもしれない。シンの瞼には、そうじろうさんにフルボッコされる男子の姿が浮かぶ。 可愛そうに…こなたに好かれた為に・・・。そう思い少しその男子に同情すら覚えた。 「シン!!」 「…はい?」 「君に第二のミッションを与える。その男を突き止め…俺の前につれて来い!!」 「え!俺が、ですか…」 「シンならやってくれる、よね?」 「いやでも…」 「よね?よね?」 「…わ、わかりましたよ。やればいいんでしょ、やれば!」 「戦果を期待する!!」 鉈でも隠してそうなその雰囲気に、嫌という選択肢はシンには残されていなかった。 普段温厚な人ほど、怒ったら怖い。その意味を今深く理解したシンだった。 書斎を出て居間へ。そこにはゲームに興じるこなたとゆたかの姿が。 「あ、シンお兄ちゃん。おじさんと何話してたの?」 愛くるしい笑顔で問いかけてくるゆたかに、シンは苦笑いであいまいな返事をするしかなかった。 「い、いや~、まぁその、色々と。」 「駄目だよゆーちゃん、男が二人で話しこむっていったら…ねぇ?」 ゲームをする手を止め、こなたが目を細めてこちらを見ている。 「なにがだよ、何が。」 「フッフッフー。さぁてねぇ」 「???」 頭上に『?』を浮かべるゆたかと、いやらしい笑い方をするこなた。 誰のせいでこんな面倒なことを背負い込んだのか・・・ 今すぐぶちまけてやりたかったが・・・そこは我慢してため息にすり替えた。 「ッ・・・ハァ~・・・もういい・・・」 それっきりにして自室へ戻ろう。そう思い居間を出ようとした時だった。 「あ、シンお兄ちゃん!」 ゆたかの声にシンは足を止めた。 「ん?何だゆたか?」 「うん、えっとね、明日なんだけど・・・」 なぜか言い出し辛そうなゆたかに変わって青いアホ毛のちんちくりんが続きを語った。 「あたしとゆーちゃんで明日お弁当作るんだけど、シンの分もつくってあげようか?」 「うん、もしシンお兄ちゃんがよかったら、だけど・・・」 「弁当か・・・」 意外な申し出だった。ゆたかもこなたも料理については全く文句のつけようが無いため、味の保障は十二分にある。 さらに、シンの今の財布の中身を考慮すると少しでも昼食など出費は抑えたかった。 (特に断る理由も無いか・・・) シンはその申し出を受け入れることにした。 「ああ、じゃあついでによろしく頼むよ」 ゆたかの嬉しそうな顔と、終始ニヤニヤのこなたが印象的だった。 ―――翌日。 (弁当か・・・) 鞄の中にはこなたとゆたかが早起きして作った弁当が入っている。 長いこと一人での生活だったシンにとって、誰かに弁当を作ってもらう事はある意味で新鮮だった。 不思議な感覚だな。そう思いながら靴箱で靴を履き替える。 「お、あの後姿は?」 紫の長い髪を二つに結んだツインテールが、シンの少し前を歩いていく。 「おーい、かがみ」 「え・・・あ、シン・・・」 振り返ったその顔は、柊かがみその人だった。 が、その顔はいつもと少し違った印象を受けたのはシンの気のせいだろうか。 「オッス。どうした、元気ないな」 「別に・・・そんな事無いわよ」 「そうか?俺はてっきりお菓子の食べすぎかと・・・いや悪い!冗談だ!」 いつもなら、ここで確実に鋭いツッコミが入ってくるところだった。 もちろん、シンもそれに備えて防御の体制をとっていた。しかし。 「そうかもね。それだといいんだけど。」 「え?あ、ああ・・・」 やはりおかしい。ここ最近、かがみに元気が無い。 シンといえど、それぐらいは気づくのだ。 「なぁ、本当にどっか悪いのか?」 「別に。何とも無いわよ」 「そんなわけないだろ、何か変だぞ?」 「何とも無いって」 「いやでも・・・」 「だから!私は何でもないって!!」 昨日の今日で、まだ心の整理も出来ていない。 その状況で好きな男に自分を心配される。かがみにはそれが耐え難いものだった。 そんな中、募った不安や不満が大きな声となって出てしまった。 「なんだよ、なんでそこまで怒るんだよアンタは!?」 売り言葉に買い言葉、シンも声を荒げて答える。 無論、シンにその理由は分からないのだから、シンからしてみれば大声を出されるいわれ等ないのだ。 「ハッ!人が心配してるのにその態度はないだろ!もういい、勝手にしろ!」 そう言ってかがみに背を向け、逆方向に歩いていく。 背中で何か声がしたが、シンは聞こえないことにしてその場から立ち去った。 「クソッ!なんなんだよあいつは・・・あ、これ美味いな」 シンは今朝の出来事に怒りながらもしっかりと弁当は味わっていた。 「おーっすシン、飯食おう…って、なんだ今日は弁当か?」 「白石」 「いいねぇ、愛妻弁当か。かー、俺も作ってもらいたいもんだ」 「そんなんじゃない、ついでに作ってもらったんだよ。」 「ついででそこまで作ってくれるとは、お前の嫁さんは働きものだねぇ」 昼食はいつも売店な白石の冷やかしを受け流しつつ (やっぱりこなたの玉子焼きは美味いな。) そんな事を考えながらこなたとゆたかの弁当をモリモリ食べる。 * 「食った食った。」 白石のしょうもない世間話やバイトの愚痴を聞きながらでも、弁当は美味かった。 (出来ればたまに食べたいな・・・) 弁当を包みながら白石と雑談をしていた時・・・ 「おいウサ眼!」 聞き覚えのあるその声。というかシンをそう呼ぶのはこの学校でも彼女だけだろう。 「みさお・・・と、あやのさん?」 昨日と言い今日といい、どうしてこう白石と話していたら来客があるのだろう。 白石には時報ならぬ呼び鈴のような特性でもあるのか? 「アスカくん。ちょっといいかしら?」 意見するといつものようにニコニコしているが、その眼は・・・笑っていない。 ちなみにみさおはいつものままだ。 「俺はいいですけど、白いs」 そこに既に白石の姿は無かった。相変わらず、奴には厄介ごとから逃げる素晴らしい能力があるのだろう。 「ここじゃあ何だから、ちょっと表で話しましょうか」 「ウサ眼~覚悟しろよ~?」 「みさちゃん」 「・・・悪いあやの…」 なんだ、今度は何が起こるんだ・・・シンの第六感が、この先起こるであろう面倒ごとにビンビンに反応していた。 * 「で、話っていうのは?」 シンの言葉に振り向いたあやのに、先ほどまでの笑顔は無かった。 「あなた、柊ちゃんに何をしたの?」 その眼には怒りの感情が見て取れた。 =続く= 戻る
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amazonで探す @楽天で #転校生-さよなら+あなた- を探す! 映画 2007.06.23 wikipedia Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索
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Woo/SE19-017 カード名:あなたは神を信じますか? カテゴリ:クライマックス 色:黄 トリガー:1・風 【永】あなたのキャラすべてに、パワーを+1000し、ソウルを+1。 (風:このカードがトリガーした時、あなたは相手のキャラを1枚選び、手札に戻してよい) 「あなたは神を信じますか?」 と聞かれたら 「じゃあまずお前がオレを信じろ」 と答えられる程度には自分が好きです。 ポジティブだなー レアリティ TD
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こなた11スレ目作品 11.1-39 11.1-42 11.1-71 11.1-75 ページ最上部へ 前 戻る 次 メニューへ
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発言者:古雅 幸 対象者:神代 直 「今日の放課後……屋上に来てくれる?」 「神代くんに干渉するのは、もうこれっきりにするから。 最後に、私の話を一度だけ聞いてほしいの」 そう告げて、「空気の読めない」“お節介焼き”の先輩である彼女は、直の教室から去っていった。 ………夕陽が美しく照らす約束の場所で、古雅幸は彼がやって来る瞬間を待つ。 その姿は、「学校の皆」が個々に抱く先入観や風聞に彩られた、完璧な存在(アイドル)ではなく…… 先程自覚した衝動のままに先走ってしまったことに不安がり、 この先の己の行いで“彼”から自己自身を否定されるかもしれないことへの恐怖を抱えた、儚げな一人の少女のそれだった。 ―――好きになった年下の男の子に、告白する…… 始まりはいつからだったのか──── 怪我を負い、短距離走者として再起は困難だという現実を思い知らされ、 周囲からもそれを受け入れるようにという声を何度も聞かされながら、それでも彼はその道に拘り続けた。 態度が荒み、誰からも相手にされず孤立していってもなお、自分を信じようとしていた。 そんな彼にちょっかい(・・・・・)をかける気になったのは、初めは部のマネージャーとしての義務感からだったのかもしれない。 けれど……その後からは、どうだったのだろうか。 反発された事への意地だったのかもしれないし、様々な大義名分を重ね続け、つい先ほどまで想いの源は自覚できていなかった。 それでも確かなのは、差し伸べる手が振り払われる度、この胸に少しずつ高まってゆく想いがあったという事。 そうして「遠回り」をしてきた己の姿に苦笑しながら、幸は思う。 きっと、自分が怖れていたこととは―― 想いが通じない事で、存在基盤(アイデンティティ)を否定されたと感じる事…… 自分の裡にある“孤独(ひとり)”に対する寂しさ、頼りなさだったのだと。 「彼も……神代くんも、きっとこんな孤独を感じて生きているのね」 孤独を背負った、頑な彼の姿を思い浮かべながら…… 古雅幸は、胸の甘い疼きを感じながら、そんな神代直という男の子を抱きしめてあげたい、そう強く願う自分を再確認する。 そうして――自分自身を幾分か和らいだ心地で見つめ直し、幸は大切な想いだけを伝えられるように集中しようとする。 「あとは、彼に想いを告げるだけ……なんだ、簡単なことじゃない」 そう言葉に出した瞬間、ずっと待っていた彼が現れる。 俯きつつも、不機嫌そうな態度を隠そうとしていない彼が。 「古雅先輩、言われた通りにやって来たぜ…… わざわざ屋上なんかに呼び出して、話ってなんだよ?」 さあ、始めよう。ひとりとひとりが“ふたり”になるために必要なことを。 そう……自分たちは、誰もが最初は独りでしかない(・・・・・・・)。そして、終わる時もまた同じく(・・・・・・・・・・)。 だから、そうなることを怖れる必要はないし、絶望することもない――― そんなことを自身に言い聞かせつつも、小さく足が震えている(・・・・・・・)のには気づかぬふりをして。 そして、本当は(・・・)「情にもろく、義理堅い」直の心を少しずつ解きほぐすように語り掛けて…… 場を整えた古雅幸は、周りなど関係ない(・・・・)、今一番伝えたい本音(・・)を告げる。 「神代君。私ね………」 たった独りで、小さな勇気を携えながら。 虚空を踏みしめて立つ、剥き出しの自分自身を違う心を持つ“誰か”にぶつけるために。 「───あなたが、好き」 すべての始まりとなるその言葉は、夕暮れの空に溶けていった。 思い出すだけで涙が…… -- 名無しさん (2018-11-19 10 12 33) これだけ見るとただの純愛ゲーだ -- 名無しさん (2018-11-26 09 49 42) 実際、light作品って規模と方向性がおかしいことを除けば案外普通の純愛ゲーな作品が多かったりする(トリニティ、万仙陣の信明と南天、ラスボス同士が親友とお互い殴り合うディエス玲愛√) -- 名無しさん (2018-11-26 10 46 44) この二人には幸せになって貰いたかったな・・・ -- 名無しさん (2018-11-26 20 24 25) 黄「好きなだけ思い描くと良い」 -- 名無しさん (2018-11-26 21 44 19) ↑この二人にはマジでアンタが必要だわ -- 名無しさん (2018-11-27 11 25 01) マリィ様、ヒルメ様、あのツガイに御身のご加護を…。 -- 名無しさん (2018-11-27 16 18 38) マリィの座の下なら輪廻の先で幸せになれるんだろうけど、余りにもこの二人の運命が悲惨過ぎて今すぐ救ってやってくれって言いたい。 -- 名無しさん (2018-11-27 21 58 11) これマジでキツいっすよ。本当にメンタルにくる。 -- 名無しさん (2018-12-06 23 17 12) うわぁあああああああああ -- 名無しさん (2018-12-07 01 27 54) この二人はどうあがいても現実じゃ幸せになれないからな・・・ -- 名無しさん (2018-12-16 23 12 50) これもし自分だったらって真剣に考えたら、指で手のひらに字を書かれても理解できないという壁に直面した。一文字終わったのかどうかも分からん。 -- 名無しさん (2018-12-17 01 47 44) ↑理解できるまで何度も何度も教えるんだよ。ヴァルゼライド閣下ならできたぞ -- 名無しさん (2018-12-17 07 25 56) この二人にこそ第四の盧生が必要。おう、早く阿片を炊くんだよ -- 名無しさん (2018-12-17 09 41 12) このシーン死ねるわ -- 名無しさん (2019-01-25 21 47 06) 手に字を書いて意思疎通ってのはそらみつでもあったなぁ あっちは元々盲目だったところに聴覚喪失だけでだいぶマシだったが -- 名無しさん (2019-04-21 22 57 48) 江戸川乱歩の芋虫が最初かな? -- 名無しさん (2019-04-22 01 36 54) ↑芋虫、おおぅ、なんとなく現実の幸先輩を連想してしまう………。 -- 名無しさん (2019-04-22 12 37 06) 名前 コメント
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元スレURL 続いてはこのコンビ!” あなたとコンビニ ”『そのまんま綴さや!』 さやか「よろしくお願いしま~す」 概要 つづさやショートコント タグ ^DOLLCHESTRA ^短編 ^コメディ 名前 コメント
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875 未来のあなたへ2.5 sage 2008/12/03(水) 12 24 32 ID 66lgtAK+ よくある話をしよう。 わたしは家族を知らない。 わたしの両親は、わたしが物心つく前に離婚した。ちなみに現代日本の離婚件数は二十万超。よくあるよくある。 わたしを引き取った父親は、いわゆる一つのダメ人間だった。離婚のショックという説もあるけれど、わたしが見るにアレは素だ。 お酒とタバコと賭け事と十八禁なお店が大好きで、仕事はかなり転々としている。そりゃまあ母も愛想を尽かす。というか、それ以前に見る目がないですぜ、見知らぬ母よ。 そんな父親と二人暮らしだったので、幼い頃からわたしはかなり放任主義で育てられた。ありていに言うと、部屋に放置。よく死ななかったものだ。 自宅にいると酔った父親からランダムで打撃や根性焼きを食らうので、歩けるようになったわたしは好んで外に出ていた。幼稚園なんて一番遅くまで残っていた。まあ、どうせ迎えなんかなかったし、二本の足を使うのはいつでも自由だ。 とはいえ外に出るというのも問題があって、当然同年代の子供たちと遭遇するわけだけど。わたしは他人との付き合い方というものが、まったく下手くそなのだった。要するにKY。 まあそれもある意味当然で。誰もが人付き合いの前提とする、家庭というものが皆無だったのだから仕方がない。知らないことはできない。 あ、ちなみに家庭崩壊してる子供が、みんなKYになるとは無論言わない。わたしの場合は、たまたま要素がこのように作用しただけだ。 というわけで、集団に混ざってもすぐにハブにされるわたしは、一人遊びの達人になっていった。某正義の味方風に言うのなら、TVと砂場だけが友達さー。あ、それからかくれんぼも超得意。鬼は父親で。 小学校に上がっても、基本的な構図は変わらなかった。強いて言うなら変化は三つ。あれ、割と変わってるじゃん。 一つは知識の収集。教室にも家にも定位置のなかったわたしは、暇さえあれば図書室に入り浸っていた。幸いというかなんというか、ネットに接続したパソコンもあったので、わたしはあっという間に要らない知識にまみれた。小学生でオタクとか。 二つ目は栄養状況の改善。省略したけどわたしの食事は、幼い頃から基本的にジャンクフードだった。代表格はスナック菓子や酒のつまみ、菓子パン。後は水、とにかく水。おかげでわたしは同年代の中でぶっちぎりにチビガリだった。 けれど小学校には給食がある。余ったおかずを持って帰るとかはデフォだった。貧乏貧乏とからかわれたが、思いっきり事実だし命には代えられない。 ちなみに料理は死に物狂いで習得した。自炊できないとたまに本気で餓えるのだ。ここだけの話、万引きもたまにやった。 ともあれ食生活の改善によって、わたしの背丈体重は急激に伸びた。まあ、それでも前から一番目は常にキープしましたけどね。ちえっ! 世の中トレンドは小型軽量です。 三つ目は、ものの見事にイジメを食らったこと。これはまあ仕方ない。ここまで奇矯な行動をとっていて、いじめられない方がむしろおかしい。 具体的な内容は略すとして、一番ダメージが大きかったのは教科書ノートに切り込みや書き込みを入れられることだった。無論金銭的ダメージだ。仕方ないので使い辛いまま使っていたら、教師に注意されて以降切り書き込みはなくなった。 その次に辛かったのが、大声で囃したてられることだった。何を幼稚な、と思うかもしれないが。打撃や孤独、飢餓に対する耐性は高いわたしだけど、周囲に注目されることは全く免疫がなかったのだ。 わたしにできる対応は、顔を赤くして逃げ出すことだけだ。イジメが無視に移行した時はホッとした。 というわけで、藍園晶の人生は、そんな風に移行してきて今に至る。スレチでごめん。 よくある話だよねー。 中学生になっても、わたしはやっぱりわたしのままだった。相変わらずチビだし、相変わらずKYだし、相変わらず無視されてるし、相変わらずお金はないし、相変わらず家にダメ父親がいるし。 けれどそれでも、変わったことを挙げるなら。 わたしは、独りで、なくなった。 晶ちゃんのDOKI☆DOKI恋の大作戦 876 未来のあなたへ2.5 sage 2008/12/03(水) 12 25 27 ID 66lgtAK+ さて、某日某所。 「おおー、でっけー。でっけーっすね雨宮先輩」 「うん、ほんとだ……室内プールと屋外プール、両方あるみたいだね。本当に、こんなところ入っていいのかな?」 「お気遣いは結構です。父が仕事の関係で貰って来たものですが、どの道チケットの期限はもうすぐ切れてしまいますから」 「そうそう、今日は気にせず泳ぎまくろうぜ!」 わたしたち四人は、駅とバスを使って郊外にあるウォーターパークに来ていた。まあ要するに、色々くっついたでっかいプール屋。 当然金を取る場所で。本来わたしなんかがおいそれと訪れて良い場所じゃないけれど、来れた理由は会話の通り。 わたしたち全員は、ついでに出入りする人たちも、水着の入った防水バッグを装備している。榊先輩に至ってはでかいリュックまで背負っている。海に来たんじゃないんだから。 日差しはカンカン、八月半ばとはいえ、まだまだ暑さは引きそうにない。絶好のプール日和だ。 さて。なぜわたしがここにいるのかと言えば、話は二週間前までさかのぼる。 前々から榊先輩に相談していた恋愛相談のことだけど。夏の大会で熱血してたこともあって、進展は遅々としてなかった。 八月が終われば九月。そのあたりからは三年生は受験に忙しくなる。さすがにやばい、と焦り始めたころだった。 榊先輩の家で、あーだこーだと相談していたら。優香ちゃんが案を持ってきたのだ。 「普通にデートにでも誘えばいいと思いますよ」 「ゲエー!? いきなり無理言わないでくださいよ優香ちゃん!」 「あー、いや、もういっそのことその方がいいかもな。デート、って言うのが恥ずかしいなら。遊びに行く、ってことにすればいいんだし」 「いやいやいやいやいや、二人で映画に行きませんか、ってそれ完璧に告ってるじゃないすか!」 「では複数人で行きますか? それなら『遊びに行く』という体裁にはなるでしょう。それに映画とは限りませんよ」 「ああ、それいいな。じゃあどこ行く? たしか、親父がチケット貰ってきてたよな」 「隣町のウォーターパークのものがありましたね。決行は大会終了後が良いでしょう」 「そうだな、とにかく今は大会が一番だし。終わればいくらでものんびりできるからなー。後は……」 「私と藍園さん、兄さんとその人、という組でいいでしょう。私と兄さんにも繋がりがありますから、不自然な流れではないはずです」 「えーと、そのー」 とまあ、こんな感じで本人の意見を一切挟まないままに作戦はトントン拍子に決まっていった。 こういう時の押しの強さに、間違いなく血の繋がりを感じるのはわたしだけでしょうか。 ともあれ、こんな理由により、わたしたち四人は夏休みのある日、ウォーターパークに来ていたのだった。 着替中。 広い更衣室の一角でロッカーに向かい、優香ちゃんと並んで服を脱いでいく。 隣の人と比べてみる。たとえとして、本当にたとえとしてわたしをAとするならば、優香ちゃんはBというところだろうか。 そもそも顔立ちとか肌の白さとか髪質とか他あらゆる面で負けてるわけですけどね。 「しかもわたしはこんな水着だし……はあ。仕方ないけどいきなりマニアックすぎやしませんかね」 「趣向が一致するかもしれないでしょう」 「嫌ですよ、ツルペタスク水がジャストフィットって。雨宮先輩が小学校のプールを定期的に覗いてたら卒倒します」 「そう」 「その点優香ちゃんはいいですよね。趣味嗜好以前にめっさ美人ですし、まあプロポーションは……って何ですかそれ!」 「私、着痩せする性質なんです」 「えええええ、いやいやいや。どう見ても増強というか増胸というか。なんでそんなに必死なんすか」 「藍園さん。勘違いしているようだけど。今日必死にならなければいけないのは貴女の方でしょう」 「……そのパッド、余ってたら分けてくれませんか」 A→B。 B→C。 877 未来のあなたへ2.5 sage 2008/12/03(水) 12 26 55 ID 66lgtAK+ 「おっまたせしましたー!」 「お待たせしました」 優香ちゃんと連れ立って、プールサイドで先輩方と合流する。二人は備え付けの空気入れで、エアマットを膨らませていた。 間違いなく榊先輩が持ち込んだものだ。子供ですかあなたは。まあ、わたしも浮輪を持ちこんでますが。 わたしたちを確認した男二人が、ぽかんとした顔をした。うう、恥ずかしいけれど…… 「おお、これがB効果ですか。もう流線型とは言わせない……って、二人とも優香ちゃんガン見ですか!?」 「え、いや、あははは……」 「おー、優香水着似合ってるな。可愛いぞ」 「ありがとうございます、兄さん」 優香ちゃんの水着は、意外なことに花柄のビキニタイプ。基調色は青。下にはスカート型のパレオが付いていて、全体的にフリルで装飾されている。胸の布地が多めな秘密はわたしだけが知っている。 クール系な彼女にしては可愛いチョイスで、そのギャップがすさまじい打撃力を生み出していた。普段はストレートにしている髪をポニーテールにしているのも一助だろう。新鮮な魅力という奴だった。 対してわたしは、いつものショートに授業で使うスクール水着。一応胸の名札は外してあるけど、増胸までして所詮Bだし。いったいわたしは何を期待していたんだろう。まあ、世の中はそんなものだ。 つーか、優香ちゃんが視線持って行ってどーするのさ! 「晶ちゃんも、うん。似合ってるよ」 「スク水相手にはちょっと微妙な評価ですがどうもありがとうございます、雨宮先輩」 「あは、あはははは」 うーん。まあとりあえずの目的は果たしたんだし、まあいいか。 ところで、男性お二人は普通に海パンを身につけている。榊先輩は緑、雨宮先輩は青。 二人とも日頃からサッカーに打ち込んでいるだけあって、鍛えられた体つきをしていた。榊先輩ががっちり、雨宮先輩がしなやかな感じだろうか。他の男性客と比べても若さが溢れているのがよくわかる。 というか、正直たまりませんね、じゅるじゅる。おっとよだれが。 「(ごくり)」 おや、今隣で生唾を飲み込むような音が聞こえたような気もしますが、多分気のせいだよねー。 さておき。 「それじゃ泳ぎに行こうぜー!」 「波の出るプール! 波の出るプールがいいっす!」 「それじゃあまずそこで……」 「兄さん。私はウォータースライダーに興味があります」 「あ、そうだったな。じゃあ俺と優香はそっち行くから、義明は晶ちゃんを頼むぜ」 「え?」 「ちーっす。じゃあお昼なったらここで集合ってことで」 あっさり二手に別れる。勿論これは作戦だ。みんなで遊べないのは残念だけど、とにかく今日は勝負の時だ。 二人で歩いていく榊兄妹を見送って、雨宮先輩が苦笑する。ややややや、やばい、緊張してきました。 「健太の妹さんには久しぶりに会ったけど、なんかちょっと変わったかな?」 「はいいっ!」 「晶ちゃん?」 落ち着け落ち着け落ち着けわたし。怪鳥音なんぞ発している場合じゃない。優香ちゃんを見習って、KOOLになれ藍園晶。 「んじゃ、我々は波乗りに行きましょうか、雨宮先輩」 「うん、そうだね」 その人は柔らかく微笑んだ。 878 未来のあなたへ2.5 sage 2008/12/03(水) 12 27 49 ID 66lgtAK+ その人のことを話そう。 雨宮義明。十五歳。男。中学三年生。 サッカー部のレギュラーで、MFを務めている。伸び伸びとフィールドを走って的確なパス運びをする、そんなプレイヤーだ。自由闊達という表現がよく似合う。 外見はすらっとした背丈に整った顔立ち。方向性は優香ちゃんに似ているかもしれないけど、纏う雰囲気は柔和なものだ。カモシカとか、草食動物系の匂いがする。主夫とか似合いそう。 成績も普通に良い。たぶん、家に帰ってから予習復習をきちんとやっているんだろうなあ。はい妄想乙でした。 性格は、気弱と言ってしまってもいいぐらい優しい。基本的に微笑みながら他人の意見に流される流木みたいな人ともいえる。押しが弱いんだよねえ。 あ、ここまで来ればわかるかもしれませんが、この人女子から人気ありますよ。優香ちゃんほどじゃありませんが。 サッカー部というのは何かフィルターでも入るのか、雨宮先輩以外にも人気のある部員はいる。その筆頭が部長氏で、榊先輩は残念ながら背景っすね。いい人なんですが。 それでもって接点を持ちたい二年女子が、たまにマネージャーであるわたしに仲介の頼み事をしてきたりする。こんな感じだ。 Q.サッカー部のあの人を紹介してくれたら、無視してるのやめてあげてもいいわよ? A.自分でやれヘタレ。 かくしてわたしはますますいじめられていくのであった。舐めんな、こっちは年季が違うぜ。 雨宮先輩に彼女はいない。あの人の押しの弱さを考えるに奇跡に等しい。さりげなく聞いてみた理由としては 『僕はまだ学生だし、今は部活に打ち込んでいる。恋人にまで責任は取れないと思う。だから誰とも付き合う気はないよ』 とのことだった。え、アナタどこの聖人君子ですか? 性欲真っ盛りでしょ? 嘘だ! ごめん取り乱した。 とにかく、どんなふうに転んでも、わたしのような魅力に欠けたチビにはチャンスもなさそうだけど。 「おお、つめてー! きもちいーですねー」 「本当だね。今日は日差しも強いから」 「でも割と空いてますね、なんででしょう。排水溝に子供が吸い込まれたりしたんでしょうか」 「いやいやいや。今日は平日だからじゃないかな。僕たちは夏休みだけど、大人の人は働いてるし。小さな子供だけで来るにはちょっと遠いしね」 「入場料割と高いっすしね。うりゃー!」 「わぷっ!」 はしゃいだ声を上げながら、水の掛け合いっこをしたり。 「先輩、向こう岸まで競争しましょう!」 「ん? いいよ」 「ハンデはわたしが半分行ったら先輩がスタートってことでどうでしょう!」 「えー、それは流石に勝てないような気がするなあ。晶ちゃん、泳ぐの速そうだし」 「誰が抵抗のない流線型かー!」 結局、勝負はわたしがタッチの差で勝った。 「あー、らくちんらくちん。雨宮先輩、ちゃんと浮輪押してくださいねー」 「はいはい。負けたしね」 「ざばー、ざばー。ほっとくとわたし、流されてってあちこちぶつかりますからねー」 「うん、大丈夫だよ。ちゃんと支えてるから」 「おー、雨宮先輩。なんか今のプロポーズっぽい響きっすねー」 「えええええ。いや、他意はないからね? ほんとだよ?」 そんなふうにして 楽しい時間を、楽しい時間を、過ごした。 わたしが、雨宮先輩を選んだのは それがやっぱり、叶わないものだとしても。 それでもわたしは、雨宮先輩を選んでよかったと思う。